注文住宅で大事なこと

図面の意味を理解しよう


かつて、大工の棟梁(とうりょう)が建て主と相談しながら住宅を建てていたころには、図面はそれこそ平面図が一枚あれば充分でした。
棟梁の頭の中には、建て主の要望や好みから建築の技術的なことまで、すべてが入っていたからです。
しかし、現在はそうはいきません。住む人・まとめる人・つくる人が別々で、設備内容も多岐にわたるからです。
そのため、各段階で意思を確認する道具として、図面が大切になるのです。
第一段階の「基本計画図」は、建て主の条件を具体的に示すものです。
これによって“建て主の経済的条件と構想”を設計者が確認していきます。
第二段階の「基本設計図」は、“建て主の住まい勝手”や“設備機能”なども検討したもので、設計者と意思の疎通を図るための大切な図面です。
これには、“建て主の希望”がほとんど含まれていなくてはなりません。
これが徹底していないと、設計者との聞に必ずトラブルが生じます。
第三一段階の「実施設計図」は、建て主の意図を設計者の表現を通して、工事会社にもっとも具体的に伝達する図面です。
これによって、工事会社は建て主の希望している住宅の内容がわかり、正確な見積りをすることができます。
素人にはわかりにくいところもあるでしょうが、設計者の説明を聞いて、「基本設計図で打合せた自分たちの意図が、どう表現されているか」を確かめることが必要です。
そしていよいよ工事に入るわけですが、第四段階として最後の図面がつくられます。
それは、「施工図」「原寸図」「工作図」といわれるもので、工事の現場責任者と実際にそれを工作する職人との意思伝達の図面です。
もちろん、この段階の図面は実施設計図をもとに作成されるので、「工事監理者」(設計者)の承諾を得てから現場で使うことになります。
このように、一軒の住まいをつくるには、各段階ごとにその意思伝達のための図面が非常に大事なものとなります。
また、その前段階の図面が明確なものでないと、以後の図面も暖昧なものになり、あとでトラブルをまねく恐れがあるので注意してください。