契約を結ぶ際の注意点
設計の変更と工事費
建売りでの変更は、軽微な間仕切・仕上げ材・規格品の仕様などについてなら可能です。 構造軸組に影響するプランの変更は、確認申請がすんでいる場合は“申請の変更手続き”が必要となり、工事費用が増加するので難しいと思ったほうがよいでしょう。 もし申請の変更手続きが必要なのにしないでおくと、“「検査済証」のない住宅”を入手することになります。 やはり、検査済証を入手することを厳守してください。 売建て住宅は、建売りよりもプランの自由度はありますが、いずれの場合も図面の表現不足や価格の不透明さに不安がつきまといます。 しかし、だからといって建売りや売建て住宅を断念することはありません。計画時から、不透明な点を“5W1H”(何が・どこに・いつ・誰が・なぜ・どんな方法で)を用いて明確にさせていけば、そういう不安は払拭できます。 建売りや売建て住宅は土地と建物を一括した販売価格なので、土地と建物と分けて契約し、建物の価格を明確にさせましょう。 見積内訳書は一式いくらの書き方ではなく、数量、単価と材料見本を確認するようにします。 これがわからないと変更増減などの精算ができません。 また、打合せ変更の事項は詳細に書類にまとめ、契約書に添付することが大切です。 ふつう、どの建築現場でも「設計の見直し」や「工事上の要因」で追加工事が発生します。 この費用を名目を変えて追加請求された場合、建て主にはわかりません。 このような、素人では判断しがたいことに関しては、第三者の専門家に相談するとよいでしょう。 また、「その専門家が建て主の代理人として工事中の重要な段階でチェックできないか」を、工事会社または売り主と交渉してみてください。 これを契約の条件として認めさせてから、契約を結ぶのが得策です。
契約の内容に注意する
契約では、次の三点についてとくに注意して決めておくことが重要です。 ①代金の支払い時期と方法 ②所有権移転登記の時期 ③目的物の引き渡し時期 暇庇担保責任については、暖昧な表現があるとあとでトラブルの原因になるので、「売り主は暇庇担保責任を負う」と契約書に明記し、その暇庇担保期間は、民法の規定では木造は五年となっています。 (新築の場合には、「品質確保促進法」で下の同のように異なる適用の特例が設けられているので、それによります) 一般に、工事請負契約には「請負契約書」と「請負契約約款」(民間連合協定)を添付します。その主な内容は、次のとおりです。 A.建て主と工事会社とは対等の立場で信義を守り、「契約書」「約款」「設計図書」にもとづき契約を履行すること B.事監理者の責任業務内容 工事監理者は建て主の利益を公正な立場で守るために工事に立会い、指示し、確認・承認をします。 工事会社を監視・監督する立場なので、工事会社の人や工事会社と親しい人がなるのは無意味です。 C.暇庇担保責任と期間 木造一年、木造以外の建物と地盤は2年。 重大な過失のある場合はおのおの5年・10年とされ、民法よりも短くされている約款がほとんどです。 しかし、品質確保促進法では10年(話し合いで2年以内とすることも可能)とされています。 D.不可抗力による損害」「第三者・近隣への災害」に対する賠償責任 建て主に賠償責任はありません。ここでは、とくに「火災保険をかけることを義務づける」ことを忘れないでください。 E.現場責任者の業務 現場責任者の選任は、建て主と工事監理者の承認を得て工事会社が派遣するのが好ましい形です。 F.トラブルの解決方法 トラブルが生じた場合、「建築工事紛争審査会」(中央審査会と都道府県審査会がある)に、“斡旋”(話し合いの機会を与える)や“調停”(調停委員が調停案を提示し和解を勧告する)、か仲裁が(解決策を審査会にまかせて審査会の判断にしたがって解決する)を依頼する旨を定めることです。 (このことが契約書に定められていない場合も、審査会に持ちこめます) また、品質確保促進法では、住宅表示制度による建設住宅性能評価書のある住宅の場合は、「指定住宅紛争処理機関」に紛争の処理をもちこむこともできるとなっています。 この場合の倒産対策は、支払条件を出来高払いにして、金銭保証人と工事完成保証人の両者を立てるとよいでしょう。 (もちろん、同一者であってもかまいません) これについて、建設業法では「注文者が請負代金の全部または一部を前払いする場合に、請負者に保証人をたてるよう請求すれば、請負者は金銭保証人か工事完成保証人をたでなければならない」(第21条)と定められています。 また、新たに「完成保証制度」や、長期間の暇庇担保のために「璃抗保証保険制度」を利用することもできるようになりました。 売買契約の場合、売り主と工事会社が締結した「請負契約書と請負契約約款の写し」を添付します。この場合、売り主に代わって工事会社に異議の申し立てができることもあります。
注文が可能な建売や売建住宅の場合
建物の内容に注文をつけられる建売りや売建て住宅では、契約書には「土地売買契約書」「建物売買または請負契約書」「土地建物売買契約書」などの形態がありますが、この場合は土地と建物は分けて契約するのがよいやり方です。